チャットボットの使い方!作り方や種類、活用方法まで徹底解説

AIの進化によりチャットボットの機能が飛躍的に進歩し、企業がお客様と円滑にコミュニケーションを図り業務を効率化するうえで欠かせないツールとなってきました。

高度な対話が可能になったチャットボットが次々に登場し、企業の競争力強化に大きく貢献しています。

本記事では、そんなチャットボットの仕組みや種類、導入メリットを分かりやすく解説するとともに、実際の活用事例を具体的にご紹介します。

チャットボットの導入を検討されている方、すでに導入されているものの十分な効果を実感できていない方には、ぜひ一読いただきたい内容となっています。

この記事でわかること
  • チャットボット導入のメリット・デメリット
  • チャットボット導入に失敗しないためのポイント
  • チャットボット導入事例

チャットボットを導入したい!だけど何から始めていいのかわからない・・・」という方はご気軽にご相談ください!

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目次

チャットボットとは?仕組み、種類、メリットを徹底解説

チャットボットの仕組み

チャットボットは人工知能(AI)技術を活用した対話システムで、ユーザーの入力に対して自動で応答を返すことができます。

その仕組みは、ルールベースやパターンマッチング、自然言語処理と機械学習を組み合わせて実現されています。

例えば、よく寄せられる質問と回答のパターンをあらかじめ登録しておきその辞書を基に適切な応答を選択するというルールベースの手法があります。

人工知能技術の発達により、より自然で賢い対話が可能になってきています。

チャットボットの種類

チャットボットには大きく分けて2種類があります。

1つ目がルールベースのもので、あらかじめ設定された辞書に基づいて回答するタイプです。

もう1つが機械学習を活用したAIチャットボットで、学習データから応答パターンを自動で構築します。

ルールベースの方が構築は簡単ですが、対応範囲が限られます。

AIチャットボットは高度な対話が可能な反面、学習データの確保と適切な学習が重要になります。

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チャットボット導入のメリット・デメリット

メリット
  • 24時間365日対応で顧客満足度向上
  • 人件費削減によるコストダウン
  • 業務効率化による生産性向上
  • 顧客データの収集・分析によるマーケティング活動の強化
  • 顧客エンゲージメントの向上
デメリット
  • 導入・運用コストがかかる
  • 開発・運用に専門知識が必要
  • 顧客満足度を下げる可能性がある
  • 倫理的な問題

チャットボットを導入するメリットは大きく、24時間365日の柔軟な顧客対応が可能になり顧客満足度が向上することがあげられます。

人件費の削減や業務効率化、顧客データ収集による理解促進、マーケティング支援なども期待できます。

実際に大手企業でも顧客サポートや問い合わせ対応などに活用されています。

一方で初期導入コストがかかる点や、機能不足による顧客離脱リスク、運用管理の手間などのデメリットも存在します。

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チャットボットの使い方・活用方法

  • 顧客からの問い合わせに迅速に対応する
  • 顧客データを収集・分析する
  • 定期的にメンテナンスを行う
  • 顧客からのフィードバックを反映する

顧客からの問い合わせに迅速に対応する

チャットボットの最大の活用メリットは、24時間365日、顧客からの問い合わせに迅速に対応できる点にあります。

人手に頼らず自動で応対できるため時間や人員を選ばずに質の高い対応が可能になります。

実際に大手通信キャリアでは、契約手続きや障害受付などの頻繁な問い合わせ業務でチャットボットを顧客対応の第一線に投入し大きな成果を上げています。

迅速な初期対応で顧客満足度が向上するだけでなくオペレーターの業務負担も軽減できるのがメリットです。

顧客データを収集・分析する

チャットボットでは顧客とのやり取りデータを収集・分析することで、顧客理解を深められます。

顧客が実際に何を求めていて、何に困っているのかを把握できるからです。

例えば通販サイトのチャットボット運用でサイズ選びの質問が多数寄せられていることが分かり、サイズガイドの改善を行ったところ、そうした質問が減少しました。

このようにデータ分析を活かすことで商品やサービスの改善、新規施策の立案などにも活かせます。

定期的にメンテナンスを行う

チャットボットの質は、定期的なメンテナンスなくしては維持できません。

常に最新の対応を維持し、不具合や新たな課題に対処していく必要があるためです。

例えばあるECサイトでは、新しい支払い方法が導入された際、チャットボットがこれに追従できずに混乱が生じました。

メンテナンスを行えばこうした事態は防げたはずです。

メンテナンス体制を整備しアップデートを確実に行うことが重要不可欠なのです。

顧客からのフィードバックを反映する

チャットボット運用においては顧客からのフィードバックに継続して耳を傾ける必要があります。

顧客の生の声を無視していては本当の顧客満足を得られません。

実際に、あるサービス会社では顧客から「チャットボットの応答がくどい」といった指摘を受け、応答パターンの見直しを行ったところ、大幅な改善につながったケースがありました。

このようにフィードバックを反映することで、よりユーザーに寄り添ったチャットボットに育てられるのです。

チャットボット使い方!実際の活用事例と成功事例

  • 顧客対応
  • マーケティング
  • 販売促進
  • 顧客サポート
  • 社内での問い合わせの自動化

顧客対応

具体例
  • 24時間365日対応で顧客満足度向上
  • よくある質問への自動回答
  • 顧客からのフィードバックの収集

チャットボットは顧客対応の現場で大きな力を発揮します。

24時間365日の無休体制を構築でき、待ち時間なく迅速な問い合わせ対応が可能になります。

定型的な質問に対しては自動で正確な回答を返せるため、顧客満足度が大幅に向上するでしょう。

さらに、サービスや製品への不満点や改善要望なども直接収集でき、フィードバックを製品改善に生かせるメリットがあります。

2018年の「State of global customer service report」によると、66%が最初にセルフサービスでの対応を好むという調査結果を提示しています。

世界中で起業家イベントを開催しているslushは、チャットボットを導入し約20,000人の参加者からの質問に対応しました。

マーケティング

具体例
  • ターゲティング広告配信
  • 商品・サービス情報の提供
  • キャンペーン情報・クーポン配信

チャットボットはマーケティングの強力なツールとしても期待がかかっています。

顧客データを分析して個々の属性に合わせた広告を配信したりパーソナライズされた商品やサービス情報を提供したりと、効果的なアプローチが可能になります。

さらに、キャンペーンやセール情報や割引クーポンなどを的確に顧客へ届けられるため、コストパフォーマンスの高いプロモーション活動にも役立ちます。

カナダの鉄道サービスAmTrakはチャットボットを導入し、顧客のチケット予約をサポートしています。

チャットボットサービスを提供するJulieの調査によると、AmTrakの予約率は25%上昇したと言われています。

販売促進

具体例
  • 商品の使用方法・機能説明
  • 顧客ニーズに合わせた商品提案
  • 顧客からの注文受付・決済

販売促進の面でも、チャットボットは大きな力を発揮します。

商品の使い方や機能をわかりやすく説明でき、動画解説による商品理解の促進も可能です。

さらに、顧客データに基づいて個々のニーズにあった商品をAIが推薦するなど、パーソナライズされた提案営業も期待できます。

チャットボット上で注文から決済までワンストップで完結させられるため、離脱リスクを最小限に抑えることも可能です。

インドに映画館チェーンを所有するPVR Cinemasは映画のチケットの予約ができるチャットボットを導入しています。

また、ドミノピザは注文プロセスをスムーズにするためにチャットボットを導入ししています。

わかりやすいコミュニケーションの提供、アプリやサイトの登録を必須でなくすことで顧客満足度の向上を図ります。

引用元:Lead Desk”Chatbot use cases: 25 real-life examples

社内での問い合わせの自動化

  • 典型的な問い合わせに回答
  • 社内データを提供
  • ITヘルプデスクや総務部への質問に回答

社内にチャットボットを導入することで、従業員からの定型的な問い合わせ業務を自動化できます。

ITヘルプデスクや人事・総務部門などへの問い合わせをチャットボットが受け持つことにより、人的リソースを本来業務に集中させられます。

これにより企業の生産性が大幅に向上するとともに社内ナレッジを体系的に共有できるメリットもあります。

さらに、従業員が時間や場所を選ばず情報にアクセスできるようになり、働き方改革の実現にも貢献します。

企業にはコスト削減、従業員には利便性向上がもたらされるのです。

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H2チャットボットの業界・業種別の活用事例、成功事例、導入費用について、以下のようにまとめることができます。

【業界・業種別】チャットボットの使い方・活用アイディア

チャットボットは、その高度な自然言語処理能力とカスタマイズ性の高さから、様々な業界で活用されています。

小売・EC業界

  • 24時間365日対応可能な顧客サービス(商品質問、注文状況確認、返品・交換対応など)
  • 顧客のニーズに合わせた商品紹介やおすすめ商品提案
  • パーソナライズされたクーポン配信やキャンペーン告知

飲食業界

  • 自動予約受付システム(予約、キャンセル、変更)
  • 詳細なメニュー案内(アレルギー情報含む)
  • テーブル注文、テイクアウト、デリバリー注文の受付

医療業界

  • オンライン診療予約や診察時間確認の自動化
  • 簡単な症状相談と適切な医療機関案内
  • 健康情報や予防策の提供

教育業界

  • 学習内容に関する質問応答や復習問題の提供
  • 生徒のレベルに合わせた個別指導
  • 進路相談や受験対策アドバイス

金融業界

  • 口座開設サポート(情報収集、書類提出、本人確認手続き)
  • 顧客ニーズに合わせた金融商品紹介や投資アドバイス
  • 取引履歴分析による不正検知

チャットボットの作り方と導入手順

  1. 目的を明確にする
  2. チャットボットの種類を選ぶ
  3. シナリオを作成する
  4. デザインを決める
  5. テストを行う
  6. 運用・改善を行う

目的を明確にする

チャットボットを作る前にまずはその目的を明確にすることが何より重要です。

顧客対応の効率化なのかマーケティング支援なのか、目的に応じて必要な機能が大きく異なってくるからです。

例えば顧客対応であれば、FAQ対応や問い合わせ対応が中心的な役割となり自然な対話とある程度の知識が求められます。

一方、マーケティングであれば商品案内や購買促進が主な目的となり魅力的なコンテンツ提供力が重視されます。

目的を明確にすることで、必要な要件を明確にでき適切なチャットボットを設計できるのです。

チャットボットの種類を選ぶ

次に、目的に合わせてチャットボットの種類を選びます。

ルールベースとAI対話の2種類から、用途と予算に見合ったものを選ぶ必要があります。

例えばFAQなどの単純な用途ならルールベースで十分かもしれませんが、高度な問題解決が求められる場合はAI対話システムが不可欠になります。

AI対話の方が自然な対話が可能な反面、コストが高くなる傾向にあります。

この選択が、後の設計やコストにも大きく影響するため慎重に検討する必要があります。

シナリオを作成する

チャットボットとのやり取りシナリオを作成することも重要なステップです。

どのようなタイミングで何を質問され、どのように応答するのかを設計します。

例えばショッピングサイトのチャットボットなら、商品検索、購入方法、支払い方法などの項目を想定し、それらのフローをデザインしていきます。

このシナリオ作りを怠ると、使いづらいチャットボットになってしまう恐れがあります。

デザインを決める

次にチャットボットのデザインを決める必要があります。

デザインが分かりづらかったり使いにくかったりするとユーザーに違和感を与え、せっかくのチャットボットも活用されません。

例えば、あるECサイトのチャットボットは黒地に白文字のデザインだったため読みづらく使いづらいと不評でした。

一方、見た目がフレンドリーで分かりやすいデザインのチャットボットは親しみやすく活用されています。

デザインは直感的で使いやすく、かつ企業のブランドイメージにも合ったものにする必要があります。

テストを行う

チャットボットの開発が一通り終われば、次はテストを行う段階に入ります。

実際にユーザーになったつもりで動作確認をし不自然な応答や不具合がないかをチェックします。

例えば、旅行代理店のチャットボットではあらゆる観光地の質問に対する応答をテストし、欠落している質問パターンを発見して対処する必要があります。

このテスト作業を徹底して行うことで本番運用時のトラブルを未然に防げます。

運用・改善を行う

チャットボットは一度導入して終わりではありません。

継続的な運用と改善が欠かせません。

ユーザーとのやりとりを分析し、新たな質問パターンを追加したり、不適切な応答を修正したりする必要があるためです。

例えば、あるチャットボットでは旬の話題に対応できないという指摘が多数あり、データの追加によりフォローしたところ改善されました。

このようにデータ追加や機能改修を継続して行うことで、チャットボットの品質が高まります。

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チャットボットの導入費用

チャットボットの導入費用は、機能、規模、開発方法によって大きく異なります。

  • クラウドサービス:月額数千円〜数十万円程度
  • カスタマイズ開発:数十万円〜数百万円程度

費用を抑えるポイント

  • 既存のチャットボットプラットフォームを活用し、開発コストを抑える。
  • 必要な機能のみを導入し、不要な機能は省くことでコスト削減を図る。
  • 段階的に導入し、最初はシンプルな機能から始め、必要に応じて機能を追加していく。

チャットボットの導入費用の相場は、初期費用が無料〜200万円、月額費用が数千円〜50万円以上と幅広く、機能や仕様によって大きく変動します。

AI搭載型のチャットボットは、初期費用が50万円〜200万円、月額費用が15万円〜50万円程度となっています。

チャットボットの導入を検討する際は、自社の目的や予算に合わせて適切な機能と開発方法を選択することが重要です。

また、無料トライアルやサポートサービスの有無も確認し、長期的な運用コストも考慮に入れる必要があります。

チャットボットの選び方4選

  • 目的と予算に合ったチャットボットを選ぶ
  • 機能と性能を比較する
  • 使いやすさを確認する
  • セキュリティ対策がしっかりしているか確認する

目的と予算に合ったチャットボットを選ぶ

チャットボットを選ぶ上で最も重要なのは、導入目的と予算に合ったものを選ぶことです。

導入目的が顧客対応の自動化なのか、マーケティングサポートなのかによって必要な機能が異なります。

例えば、単純なFAQ対応であればルールベースで十分かもしれませんが、高度な問題解決が求められる場合はAI対話が不可欠です。

導入コストも大きな違いがあるため、目的と予算を明確にして無理のない選択をすることが肝心です。

機能と性能を比較する

次に機能と性能を比較して、要件を満たすものを選びましょう。

対話の自然さ、多言語対応、APIの有無、学習データの充実度などを確認する必要があります。

例えば自社サービスの案内やマーケティングには自然な対話が求められますし、グローバル展開の場合は多言語に対応していることが前提条件となります。

このように、機能・性能面で自社の要件を満たせるかよく吟味することが重要です。

使いやすさを確認する

導入時の手間やランニングコストだけでなく、実際の運用時の使いやすさも考慮に入れるべきです。

APIの提供状況やカスタマイズのしやすさ、管理画面の分かりやすさなどがポイントになります。

特に大規模な運用を想定する場合、APIを利用してシステム連携できることやカスタマイズしやすいことが重要条件となります。

使いづらいと運用の手間が増えコスト面でも問題が生じかねません。

セキュリティ対策がしっかりしているか確認する

ユーザーデータを扱うチャットボットではセキュリティ対策が欠かせません。

仕様の安全性評価や、外部からの不正アクセスリスク、データ漏洩リスクなどをチェックする必要があります。

例えば金融機関のチャットボットでは高度なセキュリティ対策が不可欠です。

ユーザーの個人情報や金融情報の保護が何より大切だからです。

違反リスクを避けるためにも、十分なセキュリティ対策が取られていることを確認しましょう。

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この記事を書いた人

AI Front Trend編集部です。
生成AIの基幹技術から内製する株式会社ReAliceによるAI情報メディア「AI Front Trend」。
AI研究を行ってきたエンジニア等の監修のもと、AIに関する最新情報をお届けします。

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